国内最古の人骨、実はヒグマの骨? 豊橋「牛川人骨」東大が論文発表へ

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国内最古の人骨、実はヒグマの骨? 豊橋「牛川人骨」東大が論文発表へ
 愛知県豊橋市で1950年代に見つかり、国内最古の化石人骨とされた「牛川人骨」が、クマの骨である可能性が高まっている。東京大総合研究博物館の諏訪元・特任教授(自然人類学、古人類学)を中心とする研究チームが、CTで骨の内部構造を解き明かした。学術論文にまとめ、正式に発表する方針。「人骨」とPRしてきた市教委も訂正を検討している。
 牛川人骨は57、59年に同市牛川町の鉱山から1片ずつ見つかり、当時は「国内最古の人骨」と推定された。日本史の教科書にも掲載された。その後、「ヒトの骨と判定できる特徴を備えていない」などと人骨説を疑問視し、他の動物の骨との見方が広がったが、その正体は謎に包まれてきた。
 諏訪氏らのチームは2022年秋の学会で研究成果の一部を説明したほか、23年11月には諏訪氏が豊橋市内で市民向けに講演。2片のうち、これまで約10万年前の成人女性の左上腕骨破片と推定されてきたものについて「クマの橈(とう)骨(前腕の骨)と思われる。おそらくヒグマ」と説明した上で、「ヒグマが本州から消えていく直前くらい」と約2万年前の化石との見解を述べた。
 成人男性の大腿(だいたい)骨破片とされてきた残る1片も、形状などから「ヒトでないことは明らか」と指摘し、クマの骨との見方を示した。
 諏訪氏らの研究成果について、国立科学博物館名誉研究員の馬場悠男氏(人類学)は「クマの骨の標本と見比べた上で判断しており、今回の見解は間違いない」と支持する。
 牛川人骨とされてきた化石骨は東京大総合研究博物館に収蔵。複製品を展示する豊橋市教委は、数年前に「牛川人骨」から「牛川人骨とされる化石骨」に紹介文を差し替えた。さらに諏訪氏らの研究成果を受けて、市教委の担当者は「(信頼性の高い)学術雑誌に掲載された時、説明文を更新することを考えている」と話した。          (中日新聞社 加藤壮一郎)


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