11月26日静岡新聞朝刊

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根堅遺跡調査 意義語る
浜北北部中地元出身の研究者講演
  本州最古の人骨化石が出土した浜松市浜北区の根堅遺跡で12月から人骨再発見の可能性を探る予備調査が始まるのを前に、学区内に同遺跡がある市立浜北北部中で25日、調査団メンバーによる講演会は開かれた。ともに同市中区出身で、調査団長を務めるお茶の水女子大の近藤恵博士と、同大の松浦秀治教授が調査の意義について講演した。
 講演は予備調査に協力する地元の「遠州山辺の道の会」が企画し、同校生徒約650人や地域住民が参加した。近藤博士は日本列島にいつから人類が住んでいるかを研究するためには、人骨化石が必要だとし、1万3千年以上前の旧石器時代の人骨化石は、本州では根堅遺跡からのみ見つかっていることを紹介した。予備調査について「人骨化石が見つかる可能性は低いが、あるのかないのか、はっきりさせることも必要」と語った。
 松浦教授は戦国大名の伊達政宗の遺骨を調べたところ、落馬で骨折した史実が裏付けられた例を挙げ、「骨は人が生きた証し。骨からさまざまなことが分かる」と強調した。(浜北支局・尾藤旭)